STYLES with Ferraresi

日常に映る美学。
Ferraresiを持つ
人々の姿。

KAPTAIN SUNSHINE Designer

Shinsuke Kojima

1973年、イタリア・フェラーラの小さな革工房から始まったバッグ・革小物ブランド「Felisi(フェリージ)」。
半世紀受け継がれた職人技とタイムレスな美意識を背景に、2025年春、新シリーズ「Ferraresi(フェラレージ)」が誕生しました。
発祥の地フェラーラの街並みに着想を得たバッグは、このブランドらしい上質さと、多様なシーンに馴染むアノニマスなデザインが魅力。
ブランドゆかりの5名の日常やスタイルを映し出しながら、彼らとFerraresiの間に潜む親和性に迫ります。

昔からあるんだけど、
魅力が
変わらないもの。

児島さんは長く鎌倉に住まわれていますよね。
きっかけはサーフィンです。都内から引っ越して、最初は藤沢に住み鎌倉へ越してきました。
鎌倉以外の選択肢はなかったですか?
当時は鎌倉一択でしたね。ぼくはここの波が好きなんです。シングルフィンの重くて長いロングボードに乗るんですが、そんなクラシックなサーフィンに鎌倉の波はよく合うんです。この街特有の空気感が好きで、出身である神戸にもどこか似たムードがあって。街もコンパクトだし、コミュニティもちょうどいいんですよ。
実際に住んでいて、どんなことを感じますか?
自然が近くにあるのがやっぱりいい。自分はそういう環境じゃないと落ちつかなくて。海だけじゃなくて山もあるし、なにより空が抜けている事が大切です。
そうすると、服装なども普段と変化はないですか?
ないですね。鎌倉だからといってリラックスしたウェアをずっと着るということもないです。
日々生活を送る中で、児島さんが大事にしていることはありますか?
無駄なものは買わなくなりましたね。高揚感のあるものをそばに置いておきたいというか。それはデザインも、機能面においてもそうなんですけど。なるべくものを増やさないようにしています。実用的なものはかなり吟味するようになりました。昔はいいと思ったらすぐに手を出していたんですけど、歳を重ねてきて、自分に合うもの、本当に好きなものをようやく選べるようになったというか(笑)。
それは寄り道をしてきたからこそわかるものですよね。
そうですね。自分がどういったものに心地よさを感じるのか、失敗も経験して段々はっきりしてくるというか。いま身の回りにあるのは、そういったものばかりですね。
そうしたものは、長く使っていても飽きないですか?
飽きないですね。というのも、“飽きない”ということも自分にとっては重要な要素なんです。当然気分的な周期もあるんですけど、使わないからといって手放さなくなりましたね。
言語化が難しいかもしれませんが、児島さんにとってのエッセンシャルなものにはどんな共通点がありますか?
懐古主義ではないのですが、ぼくは結局普通でありオリジナルなものに惹かれるんです。古着も好きだし、アンティークや骨董も好き。家具も国境問わずミッドセンチュリーが好きです。時間が経過しても色褪せない、輝きが増していくものですね。

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自分の着たいものを
デザインしている。

児島さん自身のスタイルにはトラッドやヴィンテージからのインスピレーションを感じますが、ご自身のファッションを形成する上でどんな物事に影響を受けてきましたか?
やっぱり古着、アーカイブからの影響は大きいです。もちろん雑誌も好きで、エディターとして仕事をしていたときにいろんな方々を取材させてもらったのですが、素敵なひとはみんなトレンドに振り回されないし、トラディショナルで芯がありますよね。
とはいえ、児島さんのスタイルに古臭さは感じません。その秘訣はどんなところにあるのでしょうか。
例えば古着を古いものとして捉えないようにしています。出国や年代や役割を理解した上で自分のフィルターを通し、クロスオーバーすることが自分らしさというか。古いワークウエアにチーフをさしてジャケットとして着てみたり。そんな小さなこだわりを混ぜながら(笑)結局似たようなアイテムばかり買ってしまうので、少しでも新鮮な気持ちでいれるように心がけています。
ご自身のブランドである「KAPTAIN SUNSHINE(キャプテンサンシャイン)」も、クラシックなムードが漂いつつ、きちんと同時代的にアップデートされている印象です。
基本的にはいま快適に着られるかどうかを考えていますね。“リアルクローズ”というキーワードは常にあって、素材のウェイトや原料の掛け合わせを調整したり、裏地の有無を真剣に悩んだりして編集作業を繰り返えす。着た時に高揚感を与えれる服を作りたいと思っています。

児島さんのバッグには、カメラ、トラベルウォレット、メガネ、ポーチ、カードケース、メジャー、手帳などが揃う

そうしたデザインの根っこの部分には、どんなお気持ちがあるのか気になります。
自分にとって必要なものを考えているんです。基本的には“自分の着たいもの”を軸にデザインしているので、定番商品も多い。その中で素材をアップデートしたり、フィットを調整しながら、お客さまにとってもいま着て欲しいものに仕上げています。
デザインをする上で独自色が濃くなると、今度はお客さんが受け取りづらくなると思うんです。KAPTAIN SUNSHINEの場合、そのバランスがすごく巧みだなと。
もっとニュートラルにしたら多くのひとに受け入れられると思うんですが、そうすると自分らしさが失われてしまう。だから自分の癖みたいな部分は残したいと思ってますね(笑)。その小さなこだわり伝わればいいなっていつも考えながらデザインをしているんです。
その線引きが難しそうですね。
もちろんたくさんのお客さまに着てもらうことを考えるのもデザイナーの仕事です。だけど、MD目線だけで構成してしまうと自分のやりたいことがどんどんブレていってしまう。だから自分の好きなもの、着たいものという絶対的な信念が揺らいではいけないですよね。

自分色に染まっていく。
そこに
強い魅力を感じる。

バッグに関してはどんなこだわりをお持ちですか?
バッグもやっぱり、素材を含めてクラシックなものが好きです。TPOに合わせてセレクトしています。
Ferraresiをはじめてご覧になられたとき、どんな印象を持たれましたか?
鴨志田さんの世界観がかなり色濃く反映されていて、すごく素敵だなと感じました。デザインがシンプルで取り入れやすいし、ニュアンスカラーの選び方も秀逸ですよね。それでいてFelisiらしさというか、イタリアならではの柔らかさもあって。本当にいいバッグだなと思います。
Felisiにはどんなイメージを抱いていましたか?
イタリアのレザーや上品なナイロン使った上質なブランドのイメージがあります。だけどFerraresiに関しては、そこはかとない魅力を感じるんです。色使いやパーツの選び方、素材のチョイスなど、絶妙な足し、引きによるバランス。それは自分の服づくりでも意識していることなので、すごく勉強になりました。
実際に使っていて思うことはありますか?
バッグを専業とするブランドならではの使い勝手のよさ、そして持ったときの高揚感。先日フランスに出張へ行ったときも持ち歩いていました。容量もあって、頼れる道具としても使える。あとは革がやっぱりいいんです。質感が高く品のよさもあって。それに使い込んでいくうちにどんどん柔らかくなって、自分色に染まっていくというか。そうしたところに強い魅力を感じますね。
コーディネートでは、どんな服と合わせていますか?
ベージュやブラウンなど、ナチュラルな色合いの服とすごく合うんですよ。そういうバッグってなかなかない。そこにイタリアらしさがあるし、鴨志田さんの色選びの妙を感じます。
撮影しながら感じたのですが、KAPTAIN SUNSHINEの服にもマッチしますよね。
そうですね。スーツもいいし、Gジャンにも合う。どんな素材にもフィットします。そうしたデザインは、メンズのトラディショナルを熟知された鴨志田さんだからこそできることだと思うんです。とても勉強になりますね。
最後に、今後Ferraresiに期待することはありますか?
個人的には旅行用のボストンバッグやリュック、カジュアルに使えるクラッチなども見てみたい。揃えたくなる、コレクタブルなラインになって欲しいですね。不変的なものの魅力を発信して欲しいです。

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児島晋輔

兵庫県出身。メンズファッション誌のエディターを経て、2002年よりアパレルの企画やデザインに関わる。2013年に自身がデザイナーを務める「KAPTAIN SUNSHINE」を設立。ヴィンテージやクラシックな服から得たアイデアをもとに、生地や仕立てにこだわった日常着を展開。国内外で高い評価を得ている。

KAPTAIN SUNSHINE

トラディッショナルやフィールド・ウエアなどのエッセンスを大切に、旅へと連れ出したくなる一着を提供している。日常生活に彩りを与えるアイテムが、あらゆるライフスタイルに馴染みます。

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